第三十四段 かほざまわろし

このところとみに 梅蔵ちゃんの人相が悪い。
いや、トリ相が悪い。

これが「ヒナ換羽」だと気づくのに 少し時間がかかった。
ガブのしすぎで顔が歪んだのかと。
(なにぶん、哺乳類しか飼ったことがないので…)
そういえば、最近やたらと羽が抜ける。
私の目は梅蔵のケツ(=尾羽)ばかり追跡していたので、 気づかなかったのだろう。

換羽になると 梅蔵ちゃんご自慢の極彩色の緑ボディが、 ぼそぼそしたみすぼらしい黄色に見えるんである。
そして、 ストローだらけの顔は 大変顔つきが悪く、 さながら「スカーフェイス」だ。
へたくそなカットをされたトイプードルがブサイクに見えるのと 同じ原理だな。
愛犬シェリーも、シェルティー特有の見事な毛並みが自慢だったが、 お風呂に入れると「…どこの貧乏キツネさんですか?」状態になった。
「毛モノ」には、毛が大事なのだ。

それにしても、 短期間で本当に全部生え変わるんだねえ。
鳥類はすごい。
これが文鳥とかだと 柄まで変わっちゃうんだもんね。