第三十五段 このみ

「ヒナは仕方ないですよ」
とお医者様は言うが、 やっぱりやりすぎだと思う、 梅蔵ちゃんの羽繕い。

「普通こんなにやらないよ」
とは、 過去何十羽もセキセイを飼ってきたダンナの弁。
特に換羽の時期ということもあり、 起きてる時間の5分の4は羽繕ってると思う。
「ジミー梅蔵」と呼ぶ。

最初は病気のせいだと思ったが、 飼育本なんかを読むと、 本来の羽メンテの意味以外に なんらかのボディランゲージの意味を持つそうで、 甘えん坊のかまってちゃんだからなのかな、とも思うが、 ただ単に「度を知らない性格」、という可能性の方が高そうだ。

で、病気の再発が怖くて さんざん羽繕いを観察していたら、 とうとう、見るのが楽しくなってしまった。
さんじゅう×歳、趣味、羽繕いの観察。
アホですな。

お気に入りのポーズは、 首の下の、 くちばしが届くぎりぎりアタリを羽繕いしたとき。
何かの拍子に前を向くと、 あご下の羽がめくれたままになり、 その無防備な感じがマヌケで萌えるのと、
スターウォーズの「白い下っ端」になんとなく似てる気がして、 好き♪
(ワタシビジョンですので、 「え〜、似てないよ」と思っても、 生やさしく見守って下さい…。)