第四十一段 すこぶるいそめく
このころから「多動の梅蔵」と言われるようになった、
梅蔵エピソードシリーズ・その3。
ぶらりとペットショップを流してて目についた、
巨大回し車(ハムスター用)。
これでも買ってやったらどうかとダンナが言う。
あまりにも色々と予想外のことをかましてくれるので、
ネズミのように回し車でも回して無駄な体力を使ってくれれば、
少しは落ち着くんではないかと。
この際、鳥もネズミも同じよーなもんだと。
回し車の真ん中におとりのふうりんちゃんを吊したところ、
やはり大変気に入った様子。
ふうりんちゃんにゴキゲンで話しかけながら、
グルグル回す回す。
その姿はマジで笑える。
ところがこのふうりんちゃんが、
回し車を回すと中心部分にくるくるとまとわりついていき、
限界点を超えると、パン!と落ちてきて、
梅蔵のドタマをパコン!とどつく。
梅蔵はしばらく固まるが、
そのうち喜びのお話を始め、
また回し始める。
梅蔵は、殴られると喜ぶタイプに違いない。
今風に言えば「ドM」ってやつだ。
いやその…。
この場合、買い与えた私らが悪いんだが。
部活始めた中坊みたく、
ますます体力ついちゃったし。