第四十二段 あくじき
排泄物を汚いと思う生き物は、人間だけである。
ウサギのウンチは「コロコロ」と「ベタベタ」の2種類あり、
「ベタベタ」の方は未消化物として再び口から摂取される。
(だからウサギのウンチは「コロコロ」しか見たことがない。)
ニワトリにいたってはそのウンチの70%が未消化物であり、
食糞させるかどうかが健康の鍵にまでなるそうだ。
犬だって猫だって、糞や尿は大事な情報源である。
「わんこのお悩み相談コーナー」なんかで
「うちのコの食糞をなんとかしたい」
なんてのをよく見かけるが、
人間ルールをそのまま当てはめられては、
いくらペットとはいえ、迷惑であろう。
と、頭ではわかっているのだが〜…、
やっぱり食糞はして欲しくないのが人間。
まあ、人間の場合、自分以外の大腸菌は猛毒なので、
「糞は汚い」と思う自衛本能が備わっているに違いない。
(わかってる?他人の大腸菌は猛毒なのよ?
トイレ後に手を洗うのも、便所飯が厳禁なのも、
理由があるのよ、若者っ!!←カタるオバサンに変身)
という事情を知ってか知らずか(いや100%知らないだろうが)、
うちの梅蔵も例に漏れず「食糞野郎」だ。
しかも、そこはモーレツな性格の梅蔵君、
ひとつ残さず、徹底的に食べてしまう。
おかげで、ハウスが掃除しなくてもいつもピカピカなのだ。
我々が食事をするとき、梅蔵ちゃんもハウスごとテーブルについているのだが、
そこまでのウンチ食いを見せられると、さすがに食欲が減退する。
糞はまだ、いい。
食糞ついでに、ハウスの底に敷いてある敷紙まで食べるようになってしまった。
普通紙類はかじっておわり、だと思うのだが、梅蔵は本当に食べてしまう。
しかもA4の紙半分くらいの量を!
昔の紙は良かったのだろうが、今はインクも繊維も原料が怪しいものばかり。
感熱紙なんて食べられたらオオゴトである。
ここで「ハウスの底網問題先送り」を激しく後悔することになってしまった。
底網さえあれば、少なくとも紙の味は知らずに済んだろうに…(泣)
仕方がないので、ハウスより一回り大きいサイズのバーベキュー網を購入、
ダンナがでかい万力で曲げて、無理やり底網を作った。
これで忘れてくれればいいんだけど…。