第五十段 ならふ
実家から帰って数日、思わぬ副作用があった。
どうやらさみちゃんが、梅蔵のマネをして、
頭からぶら下がるようになったらしい。
ほんの2日ほど一緒にいただけなのに、
他鳥とは生まれて初めて遭ったというのに、
ちゃんと学習している。
仲間の行動形式を学習するということは、
やはり鳥というのは、
高度に社会的生き物なんだ、と実感する。
だから本当は「一羽飼い」がかわいそう、というのも一理あるんだな。
わかっちゃいるんだが、今更群れに戻すなんてできないし、
ペットとして連行してきた以上は、
なんとか幸せと思ってくれる環境を作ることぐらいしかしてやれない。
やっぱり飼い主は人生後方支援なんだ。
ま、さみちゃんは義妹さえいれば幸せだからいいんだけど。
そして実家から帰ってくると、今度は梅蔵がさみちゃんの鳴きマネを始めて、しばらく抜けない。
犬の吠えマネのように、全く違ったモノならいいんだけど、
セキセイなのにオカメ、みたいな、ビミョーな違いはとっても気持ちが悪い…。