第六十段 あくがた
これが梅蔵の「わきわき遊び」である。
「わきっ、わきっ」と言いながら、手で恋人を襲うフリをさせられる。
レンジャーゴッコは悪者役がいないと成立しないから、手は梅蔵の大事な恋人をいじめる悪者役、ということだ。
その悪者と戦うために、馬場チョップならぬ梅蔵ガブで敵を撃退する。
無事に撃退したあとは、美しい恋人とラブラブモード、と。
男子のお約束とはいえ、
ああ、アホらしー。
当然手をガブされて、敵役はイタい思いをするのであるが、
うちでは梅蔵ちゃんにも「ガブの権利」が与えられているので仕方ない。
(そして当然、「捕まる義務」も課せられているのだっ。)
色んな考え方があるだろうけど、せっかく小さい鳥に生まれてきたんだから、
人様に迷惑をかけない範囲で、自分のしたい遊びくらい自由にさせてやりたい。
梅蔵もそこはわきまえていて、手加減(ガブ加減?)もするし、いつでもガブしていい、なんて勘違いもしない。
意外に賢いのだよ、こー見えて。
その分、体調管理や知識の取得も含めて、後方支援はしっかりしてやらなくては。
犬や人間は外へ出る機会が多いから、こうはいかないんだろうけど。
そういえば、今思うと、
子どもの頃の男子の戦いゴッコ、あれってどうやって敵役を決めていたんだろう?
たいてい悪役の方がかっこいいキャラクターが多いんだけど、悪役はもれなく痛いしな〜。
私も、ヤッターマンよりはボヤッキーとかが好きだったな〜。
アラホラサッサー♪