第五十一段 いゆ

「PBFD陰性」

実はすっかり忘れていたのだが、治療1クール後の検査結果が出た。
「お墨付き」をもらうというのは、うれしいものである。
「みんながこんな風につるんと治ってくれたらいいのにね」
とお医者様がつぶやいた言葉が忘れられない。

検査結果を知らせる紙には、 今回たまたま見つかんなかっただけかもしれないから、 毎年検査しなさいね、と注釈がある。
もろもろ確認のためにも、これからも定期検診は怠らないようにしようと思う。
「ウンコ採るだけなら実害ないし」(梅蔵談)

「PBFDは治らないから」
「治ったように思ってもすぐ再発するから」
と言われてヘコんでいる飼い主さんはいっぱいいると思う。
鳥病院に通い詰めて思ったのは、鳥飼いの方々は皆、 「思い詰めないかしら」と心配になるくらい真面目な方ばかりだということ。
でもね、うちのコは「たまたまラッキー」だったのではないですよ。
だってね、なんのキャリアであれ、「出てこなければ」いいんだから。
人間だってヘルペスウイルスだのパピローマウイルスだの無数のキャリアで、 実際それが様々なシャレにならない病気の原因になっているわけだけど、 こちらが体力を下げなければそいつらも出てこないし、なんの問題もないわけですよ。
そう考えれば、どうすればいいかはおのずと見えてくるはず。
だから、偉そうなことを言わせてもらえば、 必ず道はあるので、「負けないで」欲しい、と切に思います。

今日も迷惑なほどブンブンな梅蔵くん。
こいつが病気だったなんて誰も思わないだろう。
生還してくれてよかったなあとしみじみ感じる毎日であるが、 私の、「羽を凝視する癖」だけは、どうしても直らんですわ。