第十一段 まぶる

突然だが、うちのダンナはオーディオフェチだ。

よくわからない同じようなスピーカやら黒い箱やらがごろごろしている。
興味のない人間には、違いがわからない。
何故に同じようなものをいくつも買い込むのか?

よくはわからないが、「取り扱い注意・ワレモノ注意・水濡れ注意」であろうことは私にでも想像がつく。
そこに飛ぶ気マンマンの梅蔵エノラゲイ号を放つとどうなるか。
火を見るより明らかである。

仕方がないので、ダンナの巨大お宝スピーカーに防空ずきんを作ってやる羽目になった。
変な形でさ、これが。 作りにくいったら。
でかいから、10メートルも布を必要とする。
鳥の本体価格は1900円なのに、周辺装備や本体のメンテナンスでずいぶんな投資である。

他にも、高さ1.5メートル近くある5角柱の「ペンタ」とかいうスピーカーには、 梅蔵よけにカエルちゃんのぬいぐるみが乗っけてある。
カエルちゃん、梅蔵ちゃんのウンコやらゲロリンやらで、顔がカピカピ。

よかったね、カバー作っといて。