第十二段 およづくきざし

通院の日々である。

相変わらず、ウンチとそのうの検査結果が悪い。
先生も首をかしげる。
本鳥はすこぶる元気なんだけどねえ。

病院にいくと、まず、 ハウスの中のウンチを取り、顕微鏡で検査する。
それからおもむろに鳥を捕まえ、 くちばしの中に管を入れ、そのう液を取って、 これも顕微鏡でチェックする。

鳥にも、成長の度合いによって「反抗期」があるそうだ。
今までベタベタに甘えていたのに、 急にかみつくようになったりするらしい。
鳥を「社会的な生き物」と捉えれば、正しい成長といえる。

でもねえ、こんなにかわいい「梅」ちゃんが、
かみつくようになったりするはずがないと思うんだけど?

…、と、本気で思っていたあの頃。
今思えば、「知らぬが仏」である(涙)。

いつものように、病院にて検査をする梅蔵ちゃん。
いつもはされるがままの鳥だったのに、 この日、自我の芽生えを、確かに見た。

梅蔵ちゃんは、どうやらそのう検査がお嫌いのようである。
当然といえば当然か。
(人間で言えば、毎週胃カメラ飲まされているようなものかも?)