第二十段 あへなし

さんざっぱら大騒ぎした梅蔵ちゃんの鳥かご。
イタリアモノは実用的でないし、 ネットで見つけた、白くてまんまるでかわいい中国モノは、 「元」の支払いがくそ面倒、ということで却下になったし。
で、結局、カ○ンズホームで売られていた、 普通の鳥かご(丸型・ゴールド)で妥協した。

ちょっとくやしいので、 白くて丸いコンポニビリを購入し、乗っけてみる。
「ここに梅グッズを入れればすっきり片付くし、 見た目もまあかわいくて一石二鳥かも。」

この鳥かご、天井から丸いブランコがぶら下がっている。
ブランコにとまっているセキセイインコ、 絵に描いたようなほほえましさじゃないですか。

「ちょっと乗っけてみようか」

梅蔵ちゃんをつかんでそっと円の中に入れ、 捉まらせてみる。

ゆら、ゆら、ゆらゆら、ゆらゆらゆらゆら〜!

誰も動かしていないのに、 ブランコは激しく左右に揺れだした。
梅蔵ちゃん、どうやら自分で制御することができない。
止めることも降りることもできないので 必死の形相でつかまっている。

ブランコ却下。 また、私の夢が、ひとつ消えた。