第十八段 つくりやまひ
週1で病院に通い続ける…以下略。
病院が嫌すぎて、
とうとう仮病を使うようになってしまった。
診察室に入るまでは超元気に遊んでいたくせに、
入ったとたん、このアリサマ。
鳥のくせに、あの手この手を考えるものである。
まあ、医者が嫌いなのは梅蔵に限ったことではない。
犬だって猫だって人間のコドモだって医者は嫌いなんだから。
前に飼っていた愛犬シェリーは、
待合室まではいそいそと先陣切って入っていくが、
診察室から名前を呼ばれたとたん、
「いえ、ワタシは結構です」
と言わんばかりにきびすを返して出口へ向かい、
爆笑される犬だった。
(診察台ではまな板の上の鯉だったけどね。)
少なくとも獣医師は動物が好きで、動物を助けたくてなられた方ばかりだろうから、これだけ動物に嫌われるのも気の毒でしょうがない。
梅蔵ちゃんも例に漏れず医者が大嫌い。
なんとか逃れようと仮病を使ってみたりしたんだろうけど、
センセイの前で具合悪くふるまっちゃ、
通院がのびるだけ。
たとえ検査の恐怖でふくらんでいるだけだとしても、
その仕草は「病気」とみなされてしまう。
終わった途端元気になってるし。
所詮はトリアタマだ。