第十七段 しらごゑ

週1で病院に通い続ける梅蔵ちゃん。

その後の経過は後ほど書くとして、 これだけ毎週通っていると、 「なにをされるのか」をすっかり覚えてしまう。

梅蔵ちゃんは、特にそのう検査がお嫌いである。
ある診察の日のこと、いつものように診察台に置かれ、先生が検査器具を出した途端、 今まで聞いたこともないような威嚇声を出し、 ケースの壁をつつきながら怒り始めた。

「うわあ、こんなにかわいい梅ちゃんが、こんな声を出すなんて〜!」

今まで出会ったことのない、黒い梅蔵を垣間見たようで、大変びっくりする。
でも、悲しいかなそこは所詮ケースに入れられたペットの鳥、結局がっしり捕まえられて検査されちゃうんですけど。
鳥ながらにくやしいんだろうなあ〜。
このころダークサイドに片足を突っ込んだに違いない。

ちなみに、糞便検査の長細いサジのような器具には何も反応しない。
ウンコ取るだけだから実害ないって、どうやらわかっているらしい。
あなどれない鳥である。