第二十三段 おこたる

めでたいことに、尾羽が生えてきた。
なんか、渋々生えました的な弱々しいものでなく、 「萌出」という言葉がぴったりな、 生命感溢れた、とてもとても、りっぱな尾羽。
「あ、これは超えたな」と確信した瞬間である。

PBFDが発覚して以来、 朝に晩に、毎日人工太陽光線を照射していた。
最初の10日くらいは、かえって良くないというか、 顕微鏡をのぞき込んだ先生が 「あれ?」とあわてたくらい、 ウンチに菌がたくさん出た。
でも、「高熱のとき無理矢理熱を下げても意味がない」 のと同じように、
「免疫を上げて体から雑菌やウイルスを追い出すこと」が治癒なのであって、
「ウンチに菌が出ないようにする」のが目的ではないわけだから、
これは、悪いことではない。
好転反応、ってやつだと思う。
事実、このあと目に見えて元気になっていった梅蔵ちゃんは、 ほぼ1ヶ月くらいで、ほとんど全快してしまったのである。
実際の遺伝子検査は1クール終了後の4ヶ月後だったから、 このとき「治癒した」というエビデンスはないのだが、 毎日接している者の、偽りない実感である。

「なんでそんなもんが効いたって言えるの?」
簡単なんである。
細胞の活動を支えているミトコンドリアは 太古の昔細胞に寄生したバクテリアの一種。
こいつは、太陽光線を浴びると、 ものすごく活動が活発になる、という特徴があるんである。
「日向ぼっこが気持ちいい」のにはちゃんと理由があることなのだ。
梅蔵ちゃんは太陽光線を浴びて、 細胞の中のミトコンドリアが元気になって「免疫不全」の状態から抜け、 ちょぼい菌なんかは体から排出してしまった、ということだろう。
これが、昔からの習慣である「鳥に日光浴をさせる」ことの 科学的な根拠だと思う。

もちろん、人工太陽光線も万能ではない。
「これさえすれば病気が治る」という思考停止状態は、 大変な間違いを犯してしまう可能性がある。
常に原因を探ることを怠らず、 「なぜ生物にとって有用なのか」をきちんと理解すること、 これがとても大事だと言うことは、 この後、嫌と言うほど思い知らされるのである。



これはあくまで、うちではこうして治した、という記録であり、 決して誰かにこの方法を押しつけたり、 何かを売ろうと思って書いているわけではありません。
もちろん私は、現代獣医学を頭から否定しているわけではなく、 鳥病院のお医者様には本当に良くして頂いて、心から感謝しております。
そこを充分に踏まえた上で、
興味のある方、通院しているのになかなか治らなくて困っている方は、
西原克成医師の本や、
リンクにある、「健康雑穀」のHPを覗いてみてください。
(このHPの丸山さんが、人工太陽光線について、わかりやすくまとめてくださっています。)