第二十一段 なほあへなし

プラケースに住んでいる梅蔵ちゃんのごはん入れは、 小さな陶器製。
しかも時々そこを寝床にしているので、 ごはんが散乱して困っている。

新しく買った鳥かごについているごはん入れは、 ごはんが飛び散らないようにカバーがついている。
おそらく鳥飼いの世界では一般的な商品なんであろうが、 困っている私にはかなり画期的。

「ちょっと、ここで食べてみなさい」

食い意地の張った梅蔵ちゃん、
喜んで入って、
食う、食う、食う。

腹いっぱい食べて満足した梅蔵ちゃん、
さて出てこようとして、

あれ?出られない?

いつもごはん入れの中に入って、 ごはんに埋もれながら食べるから、
カバーがついていると、 どうやら出てこられなくなるらしい。

そもそも鳥って、ごはんは 「入って」食べないよな。
フチにとまって 「水飲み鳥」みたいに食うんだよな。

どうすべ、この子。