第三十段 おとなだつ
ある朝起きたら、顔色が悪かった。
うちのダンナは、こう主張する。
梅蔵ちゃんの鼻が突然青くなったんである。
(私はもう2.3日移行期間があったように思ったんだが。)
梅蔵ちゃんは、確かに男の子だったようだ。
「性別なんてわかんないですよね」
ヒナを買おうと鳥屋へ行ったとき、聞いてみた。
「分かるよう、おれは鳥屋50年だぞ」
と、鳥屋のオヤジはふんぞり返ってこう言った。
「どっちがほしいの?」
「男の子」
「んん〜…、…これ!」
と、箱の中で群がるヒナから、
むんずとつかんで渡されたのが、梅蔵ちゃんだったのだ。
大正解。さすがです。
鳥屋50年オヤジ、
またの名を神の手とも、いう。